2009-07

アンダーザローズ6



一年以上待ちました。
5巻で、何となく明るい兆しが見えてきたと思ったのですが、今回は、またまた予想を裏切る展開。
なんと、アンナの話です。
心をえぐられるような会話が続きます。
あの伯爵の真実が・・・。
これから、どうなるんでしょう。ウィリアムも心配です。
どよ〜んとしてしまった1冊でした。
続きは、また1年待つのですね。

警官の血





2007年9月刊行。
日本冒険小説協会大賞受賞、第138回直木賞候補、「このミス」第1位。

買ったまま、積んでおいた。
なんでもっと早く読まなかったのか。
こんなに面白くて、骨太な傑作を。

分厚い上下巻なのに、読み始めたら、睡眠時間を削ってしまうほど。

今年の2月に、ドラマ化され豪華キャストだったが、期待ほど面白くなかったので、原作を読む気になれなかったのだ。

親子三代にわたる警官一家の大河物語。
時代は、終戦直後から現代まで。
警官の権威も事件も、時代とともに移り変わるが、その血は、引き継がれていく。
胸に熱いものがこみあげてくる。

祖父、父、息子、それぞれの生き方に思いをはせつつ、
三代目の和也のたくましさに、少しほっとして、本を閉じた。

個人的には、直木賞をあげたい。

ビロウな話で恐縮です日記



エッセイというより、タイトルのとおり、日記です。
ブログに掲載していたもののようです。

面白いのですが、かつてのはちゃめちゃな面白さではなくて、落ち着いた感じがします。
毎日、ブログで読んだほうが、旬の面白さを享受できるのでしょう。

夢ネタも、物語になっていて、著者の想像力のたくましさを感じさせます。
男性の好みの話で、つきあいたいタイプとこうありたいと思うタイプがあるというのが、妙に納得。

本を読む兄、読まぬ兄



著者のサイン入り。
このシリーズ、好きなんですよね。
吉野朔実自身も好きだし、マニアックだけどまったりとしている読書漫画に極上の癒しを感じる。
大笑いはしないけど、くすりと笑ってしまう。
冒頭のカラー刷りの双子の話や続く他人の本棚の話などは、萌えますね。

怪盗グリフィン、絶体絶命



2006年3月刊行で、サインもいただいているのに、3年以上積んでいたなんて、ファンの風上にもおけませんね。

評判は聞いていましたが、評判通りの面白さでした。
前半は、怪盗グリフィンに、メトロポリタン美術館が所蔵するゴッホの自画像を盗んでほしいという依頼が舞いこむお話。
後半は、CIAの依頼を受けたグリフィンが、カリブ海のボコノン島へ向かい、現地の将軍が保管している人形奪取に挑むお話。
どちらかといえば、後半のほうが怪盗の冒険らしくて楽しいです。
相棒とのやりとりもしゃれているし、呪い人形の話は非常に凝っています。
ピンチに陥ったり逆転したりするさまを、わくわくしながら読みました。
前半は、美術の説明が多く、子ども向けにしては難しいかもしれません。
大人向けとしては、ふりがなが多すぎて、やや疲れました。

それから、著者のあとがきが短いのが残念ですね。
気力が続かなかったのでしょうか、それとも、敢えて短くしたのでしょうか。

イラストは、本秀康さん。
最初は、かわいすぎるかなと思いましたが、だんだん愛着がわいてきました。

片眼の猿



2007年2月刊行。
為書き入りでサインもいただいているのに、本棚に飾ってありました。
サイン本って、大切にするあまり、読むのが遅れたりするんですよね。

主人公は探偵ということで、ハードボイルド風味のミステリになっています。
久しぶりに読むと、その読みやすさと面白さと伏線の巧妙さと騙しのテクニックに感心します。
やはり、道尾秀介はいいですわー。

著者が頭がいいだけに、設定の複雑さをあざとく感じることも、時折ありますが、そんなことも些末に感じるぐらい楽しく騙されました。
主人公を囲む登場人物たちが、ナイスキャラで、続編を望みます。

少女



読後感じたことは、2作目のハードルは、思いのほか高いのだということ。
『告白』の著者ということで、誰もが過大な期待をしていたと思う。
私の場合、『告白』の感想では、あまり褒めてないんだけど、こちらを読んだ後では、『告白』の出来映えが非常にすばらしいと感じてしまうのであった。

文字がやたら大きいのは、わざとなのだろうか。
読んだことはないが、ケータイ小説ってこんな感じかな?とも思った。

さまざまな伏線が、ラストに向かって収束されていくのは、先が読めていても、気持ちがいい。
一番印象的だったのは、介護の苦労のところ。他人事とは思えないものがあった。

それと、著者は、実は、コメディセンスがあるんじゃないかな。
終盤、何だか可笑しくて、笑いたくなってしまった。
その笑いが抜け切れないまま、ラストにたどり着いたので、ブラック度が下がってしまった。

以前は、ハヤカワ・ミステリワールドといえば、買い揃えたいラインナップだったのに、私の嗜好が、最近のものと合わなくなってきたみたい。

ゴールデンスランバー



発売直後に買ったものの、しばらく積んでおき、今年になって読み終えたが、今更ながら、感想をアップ。
このタラタラ加減が、私と伊坂幸太郎の距離なのかもしれない。

山本周五郎賞、本屋大賞受賞、「このミス」1位。
直木賞候補作になるのではと噂されたが、候補作になる前に辞退されたらしい。
そういう著者の姿勢、いいと思う。

これまで、伊坂作品とは相性が悪いと思っていたので、余り期待はしていなかった。
が、普通に面白かった。

ただ、感動の域には達しなかった。
いくつかのくだりで、人間関係に関して、心打たれる場面もあったが、なぜかハマることができなかった。
リアリティに欠けるのは、全く問題ない。
これは、ある種のファンタジーなのだから。
だからこそ、ファンタジー苦手な私には、消化不良だったのかも。

そういう小説じゃないとわかっていても、違う読後感がほしかったのだ。ミステリーとして読みたかった。

全体的に評判はよろしいようだが、アマゾンでの書評が賛否両論なので、ほっとしているところ(^^;)。

のぼうの城



あまりに話題になり、あまりに売れすぎたため、期待が大きくなりすぎてしまったようだ。

Wikipediaによれば、
作者の小説家デビュー作であり、第29回城戸賞を受賞した「忍ぶの城」を、映画化を前提に小説として執筆したものである。第139回直木賞にノミネート、2008年本屋大賞では2位を受賞した。
2008年、花咲アキラ作画で『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて漫画化される。


とのこと。

なるほどと思った。映画ならばいいかも。

小説としては、非常に読みづらい上に、楽しめなかった。
忍城の話は、行田市を訪ねたことがあったので、浅く知っていた。
この題材も登場人物も、申し分ないと思う。
なのに、もったいなさすぎる。
よく言えば、新人ゆえの荒削り?
2009年本屋大賞の第2位に甘んじたのもわかる。
直木賞候補になったこと自体が不思議である。
たぶん、漫画化された作品のほうが、私にとっては面白いんじゃないかな。

大ベストセラーなのは、頷ける。
小説が売れない時代だから。

田村はまだか



2009年吉川英治文学新人賞受賞作。
さえないおじさんの表紙だけど、中身は、イケてる。

小学校のクラス会の三次会。深夜のバーで、四十歳になる男女五人が友を待つ。
かつて「孤高の小学六年生」と言われた田村、大雪で列車が遅れ、クラス会同窓会に参加できなかった田村だ。

軽妙な文章に引き込まれ、ページをめくる手は早まる。
そして、いつまでたっても現れない田村を読者も一緒に待っている。
「田村はまだか」と。
その間に、彼ら一人ひとりの名前と物語が明らかになっていく。

全六話の連作短編風になっているが、第一話「田村はまだか」が秀逸。これだけでも十分すばらしい。
すばらしいだけに、第4話以降が、つまらなく感じてしまう。
着想の妙を感じるだけに、もったいない気がした。

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Author:じゅび
ミステリが好き。
でも、面白いものなら何でも読みます。
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