あなたに不利な証拠として
2006 / 08 / 31 ( Thu )
MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く10編を収録。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。 とのことで、前評判も高かったので読んでみたが、いやあ、重かった〜。疲れているときには読まないほうがいいね。 女性警官が活躍するミステリだと思って読むと、あれ?って思う。 活躍ではなくて、葛藤が綿密に描かれ、余りのリアルさに息苦しくなる。出てくる事件も、残酷で生々しいものもあり、神経が消耗する。 私の苦手なタイプの本かもしれない。 |
ダ・ヴィンチ・コード
2006 / 07 / 29 ( Sat )
買ったまま積んでおいたら、さっさと文庫になってしまい、映画化もされた。大ヒットとか。 話題に便乗して、映画でも観にいこうと思い、やっと読み始めることに。 しかしながら、ニュースにより、先入観やネタバレが入ってきてしまい、思ったほど楽しめない。面白いことは認めるが、最初から最後まで映画を見ているような感じなのだ。読書という気がしない。映画のノベライズのイメージかな。さくさくと読めすぎてひっかかるところがないというか。 それでも、展開は面白いし、暗号も解釈も楽しめるので、普通だったら一気読みだろう。やっぱり、本は出てすぐに読むのが一番かも。あるいは、情報なしに読むほうが、幸せだ。 ちなみに、映画は賛否両論みたいだが、上映期間内に行けそうにない。 テーマ:読みたいor欲しい本 - ジャンル:本・雑誌 |
サルバドールの復活
2006 / 04 / 12 ( Wed )
前作『飛蝗の農場』の解説で、こちらの作品を知ったときから、絶対面白いに違いないと思って翻訳されるのを楽しみにしていた。ところが、早読みのミステリ好きの方々の評判が、賛否両論。しばらく積んでおいたが、このたび、チャレンジしてみた。 ゴシックロマンと聞いていたので、勝手に古い時代の話かと思ったら、現代ものなのね。携帯電話もちゃんとあるし。フランク・ザッパとかエリック・クラプトンのほか、サイモン・ル・ボンの名前も出てきて、うれしかったわ。 「レベッカ」のようなゴシックロマンに青春小説をプラスして、更に、寓話、作中小説、日記などを挿入して、独特の読み物になっている。ごった煮の魅力という感じかしら。ゴタゴタしている割に読みやすくて面白いので、物語としては、十分楽しめるが、ミステリとしては、どうかなあ?いちいち、意味を考えずに読んじゃったけど。 特に、最後は、開いた口がふさがらないというか、これを書きたいために、こんなに長く書いていたのかと思うと、脱力する。映画化したら、エロ映画になりそうだと思った。 |
悪女パズル
2005 / 12 / 30 ( Fri )
パズルシリーズ4作目。本邦初訳とのこと。私は、『俳優パズル』が気に入ったので、とても期待して読み始めた。 大富豪ロレーヌ邸に招待された3組の夫婦とダルース夫妻。3組の夫婦は、危機を迎えており、仲直りさせようとするロレーヌだが、屋敷には険悪なムードが漂う。そして、クラブでダンスの最中に、妻の一人が倒れる。素人探偵ダルース夫妻は、その死に疑いを抱くが・・・。 登場人物が、ダルース夫妻以外、みんな個性的過ぎて、圧倒される。描きわけがうまいだけに、読んでいると、だんだんうんざりしてきて、そのカップルたちを仲直りさせようなどという酔狂なロレーヌにも、あきれてしまう。 事件以外の部分の人間模様は、まるで、サガンの小説を読んでいるようである。 事件が続き、病気なのか、事故なのか、殺人なのか、曖昧なまま、後半からサスペンス度を増していく。そして、予想外の真相。うーん、うまい!とうなってしまった。この人って、こんな人だったの?!という驚きもあり、シニカルで滑稽なラストも秀逸。 ただ、一つだけ、最後のほうで、あれって、あんなに簡単に成功するものかしら?という疑問も残った。絶対無理とも思わないのだが。 『俳優パズル』も好きだけど、こちらも甲乙つけがたし。 |
殺す者と殺される者
2005 / 11 / 14 ( Mon ) 『殺す者と殺される者』 ヘレン・マクロイ 中田耕治訳 創元推理文庫(現在絶版)
マクロイ作品は絶版が多いため、数作品しか読んだことがないのだが、作風が好きなので、この作品もずっと読みたいと思っていた。近所の図書館にはないので、友達に借りて、読む。 古書市でも見たことがない貴重な本だ。先日ヤフオクで、36000円ほどで落札されていた(^^;)。 大学に勤めていたハリーは、凍った道で転び、意識を失ってしまう。その後ハリーは、大学を辞めて故郷で帰ることに。愛するシリアが住んでいる町だ。ところが、シリアは、知らないうちに結婚してしまっていた。そして、町で暮らし始めたハリーの周りで奇妙なことが起こり始める。 と、私があらすじを書くと全然面白くないのだが(^^;)、いろいろと書くと、勘の鋭いミステリ読みには、ネタバレになりそうなので・・・。 謎の提示の仕方、ストーリーテリングがうまく、最後まで息をつかせぬ展開だった。ハリーとほかの登場人物との微妙な関係ややりとりが緊張を持続させ、真相にたどり着くまでにドキドキの連続。ラストがなんとも言えず・・・これがマクロイらしさなのか。 ぜひ復刊してください!(切実) |
六死人
2005 / 11 / 13 ( Sun ) 『六死人』 S=A・ステーマン 三輪秀彦訳 創元推理文庫(現在絶版)
『ウェンズ氏の切り札』(現代教養文庫、絶版)を読んでから、同じ著者の本を読みたいと思っていたが、絶版なので、友達に借りて読む。 5年後に再会を誓った6人の若者たち。それぞれが、大金持ちを目指して旅立つ。彼らは再会のときは、誰が大金持ちになっても、財産は皆で平等に分けることを約束していた。 そして、5年後、メンバーの一人が、客船から落ちて行方不明に。そして、また一人、殺されていき・・・。 おお!この設定は、有名な某作品に似ている。でも、某作品より8年も前に書かれたそうで。 薄い本なので、すぐに読めるが、このあっさりさが、かえって心地よい。無駄なものを省いて、犯人推理に集中できるからだ。登場人物も少ないので、犯人は絞られてくるが、それでも、最後まで確信がもてず、うまくできていると思った。期待せずに読んだほうがいいと言われたけれど、私はとても楽しめた。 |
空高く
2005 / 10 / 24 ( Mon )
『捕虜収容所の死』で好きになったマイクル(マイケル)・ギルバート。こちらは、絶版になっていたものが、新訳で文庫発売されたもの。古本屋で高値で買わなくてよかった(^^;)。 率直に言うと、期待が高すぎたかなと思う。謎解きの段階で危険が迫るシーンやトリックが明かされるクライマックスは、楽しめたが、ほかは少々、読むペースが落ちてしまった。 |
大尉のいのしし狩り
2005 / 09 / 21 ( Wed )
『ヨット・クラブ』の衝撃度に比べると、こちらはかなり読みやすく、イーリイ入門書的な感じがした。『ヨット・クラブ』でイーリイを苦手と思った人がいたとしたら、こちらを読んでから、イーリイという作家を判断してほしいなと思う。 ブラックでシニカルなのは、変わらないが、一つ一つの作品が短いので、手に取りやすいと思う。 極限状態に置かれた人間の怖さや欲にかられた人間の愚かさ、人間の身勝手さなどを、嫌と言うほど見せつけられる。ホラー的な怖さじゃなくて、人間の本質の怖さなんだよね。 一番印象に残ったのは、「いつもお家に」。いつもお家にという留守番装置をめぐる話なんだけど、ありえないと思いつつも、リアルさを感じてしまい、ひたすら怖かった。また、「最後の生き残り」のラストは、かなり予想外だった。 |
ウォータースライドをのぼれ
2005 / 09 / 01 ( Thu )
おなじみニール・ケアリーシリーズの第4作目。 6年も待たされた。待たされたから、熱が冷めたのかと思った。だけど、そうじゃない。 一気に読んだ。面白かったのは事実。 だけど、そこには、私の求めていたものは、なかった。もしかして、シリーズのファンには不満な内容だから、わざと、6年間、待たせたのかな?なんてうがった見方をしてしまうほど、喪失感を抱く。 5作目は、後日談っぽい話だという。もう首を長くして待ったりしないと思う。ニールに会うには、前3作を再読すればいいだけのことだから。たぶん、何度読んでも、胸にツンとくる話だと思うから。 |
魔性の馬
2005 / 08 / 29 ( Mon )
牧場を経営するアシュビィ家では、双子の兄のパトリックが8年前に行方不明になり、弟のサイモンがまもなく家督相続者になることになっていた。パトリックにそっくりな孤児ブラットを見つけたロディングは、パトリックになりすますことをブラットに提案する。 死んだと思っていたパトリックが突然帰ってきて、とまどう家族、それぞれの反応。なりすましているブラットの心の動きが丁寧に描かれている。いつ、正体がばれるのか?どうして、この人物は、こんな態度をとるのか?サスペンスとして楽しんだ後に待っている結末は・・・。 テイの作品の中で一番好きかもしれない。ミステリやサスペンスとしてだけでなく、孤児ブラットの物語として感慨深く読んだ。ラストもすごくいい。おすすめ。 |









