人それを情死と呼ぶ
2002 / 12 / 02 ( Mon )
夫が失踪し、箱根で心中死体で発見された。悲しみにくれる中、夫の妹とともに、現場に向かった妻は、偽装殺人の疑いを持ち、女二人で事件を調べ始めるが…。 初めて読んだ時は、松本清張を思い出したっけ。ドラマ化も何度かされていると思う。 再読だから、犯人はわかっていたけど、アリバイ崩しと最後に待ち受ける真相には、あらためて感心した。 それから、とにかく読みやすい!(これって、大事だと思う。) また、タイトルも印象的で、ラストシーンもじーんとくるので、ぜひ読んでみてほしい。 |
砂の城
2002 / 12 / 02 ( Mon )
『砂の城』と聞くと、どうしても、一条ゆかりの作品を思い浮かべてしまうのだが、こちらも、おすすめである。 早朝の鳥取砂丘の砂の中から、女性の絞殺死体が発見された。事件には贋作絵画が絡んでいるようで、容疑者も浮上してきたが、 アリバイは完璧だった。 またしても、時刻表&アリバイ崩しなのだが、アリバイのネタが、凝っている。 今読むと、想像がつくかもしれないが、当時(昭和38年)、このトリックは、かなり斬新だったと思う。初読のときは、知らない地名が多かったが、再読した今は、馴染み深い駅名が出てきたりして、 うれしくなった。 |
黒いトランク
2002 / 12 / 02 ( Mon )
大型の衣装トランクの中から男の死体が転がり出て…鬼貫警部の前に立ちふさがるアリバイの壁。ご存じ、鮎川哲也の 本格推理作品である。 何回か読み返しているのだが、そのたびに印象が違う。時刻表が出てくるものは苦手なので、最初は、読むのが面倒臭いと思ったり、昔の描写を古臭いと思ったり、それほどの傑作とは思えなかった。 しかしながら、鬼貫警部の描写に焦点を当てて読んでみると、非常に面白く、彼に対して、愛着を感じるのである。 本格推理ものは、再読に 堪えないという人もいるが、私にとっては、時を経て再読することが、楽しみとなっている。 ただ、ミステリの再読をしない人も多いので、これから、鮎川哲也を読む人は、この作品だけを読んで、彼の作品全体を評価しないでほしい。 |
ヴィーナスの心臓
2002 / 12 / 02 ( Mon )
鮎川哲也追悼の意味で、これから、少しずつ再読していこうと思う。 これは、私が初めて読んだ鮎川作品である。 リアルタイムで読んだのではないが、面白いものを書く作家だという印象が残った。日本探偵 家クラブの例会で、犯人当てゲームとして朗読されたもののテキストで、問題編と解決編に分かれている。 表題作のほか、「達也が嗤う」 「ファラオの壷」「実験室の悲劇」「薔薇荘殺人事件」「山荘の死」 「悪魔はここに」が収録されている。 これから読む人の中には、犯人を指摘できる人もいるかもしれないが、当時の私には全くわからず、悔しい思いをした。 そして、今再読してみると、概要は覚えていても、レトロな雰囲気とユーモアあふれるタッチ、そして見事なトリックで、十分楽しめた。 |
猫のミステリー
2002 / 12 / 02 ( Mon )
私の猫好きは、とまらない。「猫」と名のつく本にはすぐに手を出してしまう。ましてや、ミステリならば、なおさらだ。 ミステリに猫はよく似合う。 赤川次郎、都筑道夫を初め、11人の作家の作品が集められている。 中でも、面白かったのは、「猫とスポーツとの間に一体どんな関係があるのだろう?」という一文から始まる角田喜久雄の『猫』である。ほら、読んでみたくなったでしょう? |
透明人間大パーティ
2002 / 12 / 02 ( Mon )
鮎川哲也は、アンソロジストとしてもすばらしい作品を数多く遺している。 これは、透明人間をテーマにしたアンソロジー。 海野十三の『赤外線男』を初めとして、香山滋『白蛾』、天城一『高天原の犯罪』 手塚治虫『傍のあいつ』などが収録されている。 アンソロジーは、余り好きでなかった私だが、鮎川哲也が編んだものだけは、かなり読んだのだから、不思議である。 執筆を依頼した後に亡くなられたという藤雪夫氏は、このテーマに関してどんな構想を練っていたのだろうか。 幻となってしまったのが、悔やまれる。 |
りら荘事件
2002 / 12 / 02 ( Mon )
郊外にあるリラ荘を訪れた7人の大学生。彼らを襲う連続殺人鬼。最初に殺されたのは、炭焼き老人。死体にはスペードのAが置かれていた。 そして、第2の犠牲者は、学生の一人。郵便受けに、スペードの2が届けられた。そして第3、第4の殺人が…。 長編の中でも、大好きなこの作品。久々に再読したが、面白さは変わりなかった。こんなにも、トリックが使われていたのかと改めて感心した。 動機の点で疑問に思うこともあるのだが、全体としては、傑作である。これこそ、本格推理だ。 |
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