愛がなくても喰ってゆけます。
2005 / 09 / 23 ( Fri )
よしながふみの漫画は、ドラマ化されたものを少し読んだだけで、全然縁がなかった。これは、グルメなお店が紹介されていてとても面白いということで、お借りしたもの。 グルメエッセイ、お店紹介ガイド本なのだが、フィクションと断った上で展開される漫画家YながFみさんの日常がおかしくておかしくて、最高なのだ。確かに、紹介される料理はどれをとってもおいしそうだし、イラストと言葉でその究極のおいしさを表現し尽くしている。すぐにでも、お店に行って、この料理を注文したい衝動にかられる。 しかしながら、私がこの本を気に入ったのは、YながFみさんをとりまく人間がおもしろいからだ。素顔と外出顔が別人のYながFみさんを初め、みんな、個性的で、少し変だ(笑)。詳しく書きたいけど、たぶん読んだほうが楽しめるから、ぜひ手にとってみて。 余談だが、アマゾンのレビューに、実際にお店に行かれた方の忌憚のない(^^;)感想がある。 |
ユージニア
2005 / 09 / 23 ( Fri )
第133回直木賞候補作。 名家で開催された米寿を祝う席で、17人が毒殺され、たった一人盲目の少女だけが生き残った。事件は、被疑者死亡で解決されたはずだった。 時は流れ、物語は、過去の事件の関係者の証言で構成され、真犯人の姿を浮かび上がらせていく。 事件も、構成も、描き方も、どれをとっても面白く、目に浮かぶ情景は、美しい。さすが、恩田陸である。 一体、どんな動機で、こんな事件が起こってしまったの?それだけが知りたくて、夢中で読んだが・・・。 うーん、ラストが・・・。恩田さんらしいといえば、そうなのだろう。 |
大尉のいのしし狩り
2005 / 09 / 21 ( Wed )
『ヨット・クラブ』の衝撃度に比べると、こちらはかなり読みやすく、イーリイ入門書的な感じがした。『ヨット・クラブ』でイーリイを苦手と思った人がいたとしたら、こちらを読んでから、イーリイという作家を判断してほしいなと思う。 ブラックでシニカルなのは、変わらないが、一つ一つの作品が短いので、手に取りやすいと思う。 極限状態に置かれた人間の怖さや欲にかられた人間の愚かさ、人間の身勝手さなどを、嫌と言うほど見せつけられる。ホラー的な怖さじゃなくて、人間の本質の怖さなんだよね。 一番印象に残ったのは、「いつもお家に」。いつもお家にという留守番装置をめぐる話なんだけど、ありえないと思いつつも、リアルさを感じてしまい、ひたすら怖かった。また、「最後の生き残り」のラストは、かなり予想外だった。 |
天使のナイフ
2005 / 09 / 19 ( Mon )
第51回江戸川乱歩賞受賞作。乱歩賞作品を読むのは、実に久しぶりだ。発売当初から評判がよかったが、読んでみると、面白くて、途中でやめることができず、夜更かししてしまった。 幼い娘の前で妻を惨殺された桧山。犯人は、13歳の少年たちだった。数年後、犯人の一人が殺され、檜山に疑いがかかる。妻を殺した少年たちのその後を追う檜山がたどり着いた真実は・・・。 少年法って何なんだろう?加害者の人権と被害者の人権、人は本当に更生できるのか?司法って何?マスコミの役割は?などと、さまざまな問題を考えさせられる秀作だった。それでいて、ミステリとしてしっかりとしたストーリー運びを見せる。事件の重みや、当事者および関係者の人生を思うと、胸が苦しくなり、胃がしくしくするが、ぜひ読んでみてほしい。 ただ一つ不満なのは、いろいろ盛り込み過ぎたところ。ここまでやらなくてもいいかなあと思う点がいくつかあった。 |
のだめカンタービレ13巻
2005 / 09 / 17 ( Sat )
今回は初版に、キャラしおりがついています。私は、三木清良でした。 のだめ人気はすごいですね。CDブックも出て、千秋のデビューアルバムも出るし、キャラクターブックも出るんですね。ま、実写映像化がなくなったので、ほっとしていますけど。 さて、まだ発売したばかりなので、ネタバレにご注意下さい。 |
孤宿の人(上・下)
2005 / 09 / 17 ( Sat )
望まれず生まれてきて、少々知恵遅れの少女・ほうは、流れ流され、丸海藩のお屋敷に住み込むが、そこで、事件に遭遇する。一方、幕府の罪人・加賀殿も丸海藩に流されてきたが、それ以来、不審な事件が続き、人々は、加賀殿を悪霊として恐れる。そして、ほうは、加賀殿のお屋敷で下女として働くことになり・・・。 便宜上、カテゴリは国内ミステリに入れたが、ミステリ色はそれほど強くない。哀しい時代物である。宮部さんは、どうしてこんなに哀しくてやりきれない話を書いたのだろう?哀しくて、涙がとまらなかった。 小さな藩を守るためには、真実さえも、嘘になってしまう。自分の思いを押し殺さねばならない。何かを守るためには、何かを犠牲にせねばならないのか。しみじみ、今はいい時代だと思ってしまった。 ほうの純粋さにも心を打たれるが、ほうを妹のようにかわいがる宇佐の存在は、希望と救いである。 |
イン・ザ・プール
2005 / 09 / 12 ( Mon )
『空中ブランコ』の前作に当たる。精神科医・伊良部のもとには、プール依存症の男性、勃ちっ放しの男性、ストーカーにつけ回されていると思い込むコンパニオン、携帯中毒の高校生。タバコの消し忘れが気になる強迫神経症の男性らが訪れる。 シリーズ一作目なので、伊良部自身のこともよくわかる。いい先生だけど、やっぱり変人だ。看護婦マユミは、一見とんでもないように思えるが、実は、いいキャラだ。 『空中ブランコ』のほうが、はちゃめちゃ度が高いが、こちらのほうが、心にズシンときた。落ち込み気味のときに読んだら、元気が出てきた。 中でも、「勃ちっ放し」と「フレンズ」がいい。 暴言でも何でも言いたいことは言ったほうがいいのかもと思った。爆発しなきゃ、ダメなんだね! また、他人の顔色をうかがってばかりいた人が、友達がいないと言えるようになったとき、何かが吹っ切れるんだね。 知らなかったけど、松尾スズキ主演で映画化されている。オダギリジョーも出ている。もうすぐ、DVDが出るようだ。
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蒲公英草紙
2005 / 09 / 09 ( Fri )
恩田陸を読まなくなって、かなりたつ。次々と出る著作に追いつけなくなったからだ。それでも、『光の帝国』の続編が出ると聞いて、ずっと待っていた。それが、本作。読んでみると、続編というより、『光の帝国』以前のお話だった。 20世紀初頭の東北の農村。語り手の峰子は、大きなお屋敷のお嬢様の話し相手を言いつかる。ある日、お屋敷に、不思議な力をもつ一族がやってきて・・・。 期待していたような常野一族がメインの話ではなかったが、ノスタルジックで、あたたかい話だった。お嬢様の心の美しさに、涙がとまらなかった。そのまま余韻がほしかったが、最後の峰子の語りの部分に、少し興ざめ。 |
メフィストの漫画
2005 / 09 / 08 ( Thu )
よくぞ、一冊にまとめてくれました、講談社さん!と感謝しちゃうほど、すばらしい一冊。ミステリ好きなら、絶対気に入るはず! 喜国さんって、本当にミステリがお好きなんだわと改めて感心してしまった。マニアックで、ちょっぴりエログロで、脱力系ミステリ漫画の数々に、笑いをこらえ切れない。どれも好きだけど、一番好きなのは、麻雀ネタ。あんな麻雀、やってみたい。 また、国樹由香さんの描く綾辻さんは、とっても素敵で、やっぱり、「暗黒館」を買って読もうという気になる(^^;)。 後半の「あにまる探偵団」は、ご夫妻で、推理作家のお宅を訪問しペットを紹介するという垂涎企画。国樹さんの描くペットは、今にも動き出しそうで、かわいくてたまらない。推理作家の面々の豪華さもうらやましいが、皆さんの飼い主バカぶりも、微笑ましい限り。萌え死にしそう。一家に一冊ぜひ、どうぞ。 |
ウォータースライドをのぼれ
2005 / 09 / 01 ( Thu )
おなじみニール・ケアリーシリーズの第4作目。 6年も待たされた。待たされたから、熱が冷めたのかと思った。だけど、そうじゃない。 一気に読んだ。面白かったのは事実。 だけど、そこには、私の求めていたものは、なかった。もしかして、シリーズのファンには不満な内容だから、わざと、6年間、待たせたのかな?なんてうがった見方をしてしまうほど、喪失感を抱く。 5作目は、後日談っぽい話だという。もう首を長くして待ったりしないと思う。ニールに会うには、前3作を再読すればいいだけのことだから。たぶん、何度読んでも、胸にツンとくる話だと思うから。 |
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