モーダルな事象
2006 / 06 / 30 ( Fri )
奥泉光は、『グランド・ミステリー』を読んだのみであり、一定の水準は満たしていたものの物足りなさも感じてしまい、それ以降著作を読む気になれなかった。こちらも、買ったきり、かなり長く積んであった。 読み始めて、ああ、何でもっと早く読まなかったのだ!と大後悔。 だって、めちゃくちゃ面白いんだもん。小説の面白さで言えば、上半期ナンバー1かもしれない。小説が好きな人なら、絶対に気に入るはず。読んでいて、楽しくて楽しくて仕方ないのだ。 物語は、桑潟幸一助教授のもとに、とある童話作家の遺稿がもちこまれた。遺作は大反響を得るが、編集者の首なし死体が発見されて…というミステリーの形をとっているが、ミステリー的には、それほど感銘は受けない。ただ、一つ一つの文章が、記念に書きとめておきたいくらい風刺に満ちあふれていて、笑える。 奥泉光って、こんなに面白いものを書ける人だったんだ! この本を買うときに、「漱石がお好きなら気に入るかも」と言われたが、私は漱石は、全集は読んでいるが特に好きではない。漱石よりずっとこのほうが、面白いじゃないか!小説を読むことの楽しさを再認識させてくれる傑作。 |
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