あなたに不利な証拠として
2006 / 08 / 31 ( Thu )
MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く10編を収録。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。 とのことで、前評判も高かったので読んでみたが、いやあ、重かった〜。疲れているときには読まないほうがいいね。 女性警官が活躍するミステリだと思って読むと、あれ?って思う。 活躍ではなくて、葛藤が綿密に描かれ、余りのリアルさに息苦しくなる。出てくる事件も、残酷で生々しいものもあり、神経が消耗する。 私の苦手なタイプの本かもしれない。 |
まほろ駅前多田便利軒
2006 / 08 / 20 ( Sun )
第135回直木賞受賞作。 三浦しをんは、いつか受賞すると思っていたが、まさか、これで受賞するとは、びっくり! さすが、直木賞クオリティ。著者には、ほかにいい作品があるのに、なぜこれが?というパターンか(^^;)? 作品としては、面白く読めた。石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」やドラマ「傷だらけの天使」を思い出した。 マンガのようなドラマのような物語。実際、連作短編一作ごとに、下村富美氏の洒落たイラストがついている。これだけで妄想できる人も多いかも。 とっても素敵なセリフがちりばめられていて、いい作品なのに、何かが物足りない。主人公達の背景にしても、奇異に設定しすぎて、その重みが全然伝わってこなかった。 男性二人が主役の割に、BL臭は、私は感じなかったが、むしろ、BL臭はプンプンでも、「月魚」のほうが、文学的だったなあとしみじみ思ったり。 |
遮断
2006 / 08 / 09 ( Wed )
第135回直木賞候補作品。ミステリーだと思って読み始めたら、なんと、沖縄戦の話であった。8月に読むには、ふさわしい話かもしれない。 このところ、無意識に、戦争小説もドラマも避けてきた気がする。なのに、こんな形で出会ってしまうとは。 昭和20年の沖縄。防衛隊から逃亡してきた真市は、戦友の妻で、幼なじみのチヨと再会する。行方不明のチヨの子供を探しに北上する二人に拳銃を向けてきたのは、友軍の少尉だった。 ところどころ、戦争用語が出てきて、イメージがつかめないところもあるが、全編に流れる緊張感にページをめくる手がもどかしい。決して楽しい小説ではない。極限下の人間が描かれている。しかも、真一もチヨも少尉も、二十歳前後の若者なのだ。 日頃、忘れている、いや、いまだに知らない戦争について、しばし考える時間を持てた。 |
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