酸素は鏡に映らない
2007 / 04 / 22 ( Sun )
講談社ミステリーランドの最新刊。 著者の名前は知っていたが、初めて読む。 うーん、初めて読む作品としては、どうなのか?ほかの作品とリンクしているそうで、ファンにとってはおなじみの登場人物も出てくるらしいのだが、私にはさっぱりわからない。 会話がスタイリッシュなところ以外、印象に残らない作品。すみません、ほかの作品から読むべきでした(;_;)。 |
ワセダ三畳青春記
2007 / 04 / 21 ( Sat )
こんな面白い本が文庫書下ろしで、2003年に出ていたなんて、迂闊だった。 三畳一間、家賃月1万2千円のワセダのぼろアパート野々村荘に入居した主人公と変わった住人たちとのエピソードをつづる青春物語。 世の中、ほんとにこんな人いるの?と思うほど、おかしな人たちばかりで、抱腹絶倒間違いなし。 この本を読むと、貧乏が青春の証みたいに思える。 私自身は、ここまで貧乏ではなかったが、学生時代の先輩や後輩のことを思い出して、懐かしくなってしまった。 実話にもかかわらず、ファンタジーを読んでいるような錯覚にとらわれた。 いまどき、こんな学生いないよなあ。いや、こんなアパート、もうないだろう。著者の過ごしたワセダは、古きよきワセダだったのだ。 印象的な人物はたくさん出てくるが、大家のおばちゃんの魅力には誰も勝てない。 ラストの甘く切ないところも、いい。 |
空飛ぶタイヤ
2007 / 04 / 08 ( Sun )
第136回直木賞候補作。このときは、該当作なしとなっているが、どうして、この作品が受賞しなかったんだろう??実業之日本社だから?それとも、実際の事件、企業を想起させるから? トレーラーの走行中に外れたタイヤが、母子を襲った事件をモデルにしたフィクションである。 タイヤが外れた原因は自動車会社の調査で整備不良とされ、運送会社社長の赤松は、容疑者とされてしまう。不誠実な自動車会社、取引を停止してくる銀行、疑いの目を向け家宅捜索する警察、被害者の家族の叫び。会社は危機に瀕し、子どもは学校でいじめられ、押しつぶされそうになりながら、赤松は、家族・仲間とともに事故の真相を究明していく。 いやあ、久々に骨太の読み応えある小説を読んだ気がする。忙しいときは読まないほうがいい。2段組で500ページあるが、面白くて、リアルで泥臭くて、熱くて、途中からやめられなくなった。 企業(メーカーと銀行)の描き方も素晴らしい。財閥系企業の勝手な論理、冷徹な銀行、メーカーを信じて疑わない中小企業。 特に、銀行の描き方が秀逸だと思ったら、著者は元銀行マンなのね。 登場人物にも、それぞれ個性を持たせていて、こういう人、いるいると頷くことしきり。 また、善悪だけでは割り切れないサラリーマン世界の悲哀も感じた。 次々と試練に立ち向かう赤松の姿に、何度も涙がこみ上げてきた。彼のもとを去るもの、見捨てるものもいれば、思わぬところから救いの手がさしのべられたりして、更に涙を誘う。 書きづらい事件をよくぞ、書いてくれたと思う。この作品を出してくれた著者と出版社に惜しみない賞賛を贈りたい。 (追記:直木賞がダメなら、本屋大賞をあげたい〜!) |
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