ベーコン
2008 / 02 / 29 ( Fri )
第138回直木賞候補作。 著者が児童書の翻訳家と知り、勝手にほのぼのとした人情話を想像していた。表紙もかわいらしいし。 ところが、読み出したら、全く違う。 ヨダレが出てきそうな、あるいは、自分で作りたくなるようなおいしい食事が出てくるのは大満足だが、それにまつわるストーリーは、心がざわめくものばかり。 食べるという行為と少々艶っぽい男女のからみとを、淡々と描いている。 表現はさらりとしているのに、心にじっとりとからみついてくる。 これほどまでに、心を揺さぶられるとは。 もしも、もっと若い頃に読んでいたら、この味は理解できなかったと思う。 今なら、主人公達の心に寄り添えるような気がする。 9つの短編は、どれもが、おいしさと胸苦しさと居心地の悪さと切なさをまとっている。 特に、『ほうとう』『アイリッシュ・シチュー』『ベーコン』に泣けた。 また、幾度も繰り返して読みたくなるような、はっとする文章に出会うときがあり、著者の言葉の使い方に非凡さを感じた。 気になって調べてみたら、井上光晴の娘だった。 |
ホルモー六景
2008 / 02 / 24 ( Sun )
面白い。面白すぎる、マキメ。 マキメ、マイラブである。 もう一度、『鴨川ホルモー』を読み返したくなった。 ただ、タイトルを変えたほうがよかったかもしれない。 これ、『鴨川ホルモー』を読んでいないと、面白さが半減しちゃうんだよね。 だから、『続・鴨川ホルモー』とか。いや、続編じゃなくて、サイドストーリーだから、『鴨川ホルモー外伝』か。 2冊セットで読めば、最強! 6編の恋の物語。 私が、マキメを好きな理由がわかった。この人の恋の描き方が好きなのだ。 古典的というか、懐古趣味というか、もどかしいというか。 随所に出てくる小道具もまた、心憎いんだよなー。手紙とかあの果物とか。 6編の中では、特に『ローマ風の休日』と『もっちゃん』が好き。 |
私の男
2008 / 02 / 17 ( Sun )
第138回直木賞受賞作。2008年本屋大賞ノミネート。 直木賞受賞後に読了。これが、直木賞をとったことに少し驚く。とりづらい作品のように思えたからだ。 ストーリーは、ひたすら暗く、エロく、禁忌に満ちている。読めば読むほど、暗く冷たい海に投げ出されるような感覚だ。 私の嫌いなタイプの作品であるはずなのだが、なぜか、途中でやめることができなかった。むしろ、麻薬におかされるかのごとく、吸い込まれていった。 かすかに、『少女には向かない職業』を思い出したし、前作『赤朽葉家の伝説』よりも、面白いと思った。 非常に読みやすかったのは、賞を意識したせいだろうかと勝手に推測する。 最終章は、不覚にも涙を流してしまった。余りにも哀しくて。 主人公二人に感情移入などできない。だけど、二人を蔑むこともできない。 決して人には薦めたりしないだろうし、自分でもどうしてこんなに衝撃を受けているのか、いまだにわからない。 桜庭一樹、おそるべし。 |
遠まわりする雛
2008 / 02 / 16 ( Sat )
表紙だけでドキドキする素敵な装丁。東京創元社のミステリ・フロンティアっぽいと思ったら、同じ方の装丁だった。 大好きな古典部シリーズ第4弾。連作短編集。 収録作は、「やるべきことなら手短に」「大罪を犯す」「正体見たり」「心あたりのある者は」「あきましておめでとう」「手作りチョコレート事件」「遠まわりする雛」の7編。 「心あたりのある者は」は、第60回日本推理作家協会賞短編部門候補作となった。(この回受賞作なし) てっきり、前作の続きかと思って読み始めて、違和感を覚える。 登場人物がよそよそしい? よくよく読めば、時系列的には、これまでの長編の前であったり、中間であったり、後であったり。 で、非常に好評の短編集だったようだが、私的には、なぜか、イライラしながら読んでしまった。 前作『クドリャフカの順番』では、あんなに盛り上がっていたのに、なぜかのめりこめなかった。 複雑な気持ちになった。これまでの3作品を読み返してみたくなった。 特にイライラしたのは、「手作りチョコレート事件」と「遠まわりする雛」。 こういう展開、あまり読みたくなかったな〜。 人間関係に拘泥して、ミステリに集中できなくて、消化不良状態。 |
作家別索引国内や〜わ行
2008 / 02 / 04 ( Mon ) ●薬丸岳
天使のナイフ ●矢崎存美 ぶたぶた 刑事ぶたぶた ●山口雅也 ステーションの奥の奥 ●山田風太郎 十三角関係 男性週期律 ●山本文緒 絶対泣かない 眠れるラプンツェル 落花流水 プラナリア 再婚生活 ●結城昌治 仲のいい死体 ●雪乃紗衣 彩雲国物語 ●湯本香樹実 夏の庭 ●養老孟司 バカの壁 ●横山秀夫 陰の季節 動機 半落ち 第三の時効 顔 真相 クライマーズ・ハイ 影踏み 看守眼 臨場 ルパンの消息 ●よしだまさし 姿三四郎と富田常雄 ●米澤穂信 さよなら妖精 氷菓 春期限定いちごタルト事件 愚者のエンドロール クドリャフカの順番 夏期限定トロピカルパフェ事件 ボトルネック インシテミル 遠まわりする雛 ●リリー・フランキー 東京タワー |
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