沈黙の函



落水周吉と茨城辰二は、掘り出し物の中古品も商うレコード店を共同経営している。仕入れ担当の落水は、函館の製菓会社副社長宅で珍しい初期の蝋管レコードを見つけた。蝋管レコードには古い手紙がついていたが解読不能、なにが吹き込まれているのかわからなかった。引き取りのため再度出向いた落水は、函館駅からレコードを発送したまま行方不明に。無事上野駅に到着した梱包をほどいてみると、中には落水の生首が!鬼貫警部の名推理。本格ミステリーの傑作。



手元の文庫は古い光文社文庫で、1984年刊行のもの。
再読。

事件は、強烈なので覚えていたけど、トリックはすっかり忘れていた。
鬼貫シリーズだけど、鬼貫警部の登場は遅い。

時代を感じさせる描写だが、古臭いというより、レトロムードでむしろ楽しい。
古いミステリ映画を観ているような感覚。
鮎川さんの博識なところがたっぷり。

特別に音楽には詳しくないし、蝋管レコードって??という感じの私だが、わからなくても、薀蓄が楽しい。
これを退屈と思う向きもあるだろうが。

ちょっとした記述も、ツボ。
(未読の人には意味不明だが、「ビュビュ・ド・モンパルナス」とか、×××××に小さなポケットとか)

解説が石川真介氏で、これもまたいい。
鮎川作品との出会いや、その後の鮎川さんとのお付き合いなどが書かれている。
そして、私も同感なのだが、鮎川作品は、「人生の哀歓を淡く漂わせている」と。

だからこそ、再読しても楽しめるのかもしれないなあ。
トリックも、凝っていて、好き。

ちなみに、ドラマは、かなり改変があり、驚いた。

鬼貫を大地康雄が演じてるシリーズだが、原作の登場人物は、茨木辰二ぐらいかな?
小松政夫が演じていた。
設定や動機がかなり違うので、別物として見るのがおすすめ。
ちなみに、阿部サダヲが出ているのも、注目点。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

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Author:じゅび
ミステリが好き。
最近は読書ペースが落ちています。

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