武道館



【正しい選択】なんて、この世にない。

結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。
独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、
さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。
しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。

「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」

恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……
発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。
それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。

「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!



2016年最初の一冊。
読後に知ったが、ドラマ化されて、昨日から放送開始されたようだ。(録画はした。)

私が、最近の女性アイドルに興味があれば、もっと楽しめたかもしれない。
全く知らないわけではないので、話題になったあれこれをネタにして書いているのはわかったが、最初から最後まで傍観者的に読んでしまった。

ストーリー自体は、そんなに面白くない。
ただ、アイドルも人間なんだよなあということを、改めて考えさせられた。
もちろん、頭ではわかっていたけど。
アイドルが些細なことで叩かれることが、日常茶飯事というか当たり前になってしまっている現代社会。
そして、すぐに忘れられて、また新たな叩きが始まって。
忘れられたかと思ったら、掘り起こされて、ネットでは永遠に消えない過去になって。

何だか、急にアイドルがかわいそうになった。
朝井さんの描き方が、アイドルに寄り添っているので、そう感じたのだと思う。
昨今のアイドルをとりまく異常さや、ファンだけでなくその他大勢の集団ヒステリー的なネットでの誹謗中傷などを批判しているようにも感じた。

が、アイドルがかわいそうと思う一方で、たとえ若年でも、プロとしてデビューしたからには、事務所も本人も自覚を持ってやってほしいとも思うのだ。
法律に触れる行為やバカげた行動はせず、恋愛は、してもいいけど、隠してほしいと思ってしまう。
血のにじむような努力をして、表舞台に立つことを目指してる人もいるのだから。

それでも、昔に比べれば、芸能界もかなり恋愛はオープンになったと思うが。

読み終えて思ったのは、この話の男性アイドル版あるいは、若手俳優版を書いてほしいなあと。
朝井さんなら、きっと面白いものが書けるだろうと期待したが、そんな矢先に、某アイドルグループの解散騒動があった。
NHKニュースにまで取り上げられて、驚いたが、そのあとのいろいろを目にして、ああ、男性アイドルは、不可侵領域なのだなと。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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Author:じゅび
ミステリが好き。
最近は読書ペースが落ちています。

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