孤独のすすめ



五木寛之は、昔読んだことがある。
実家にも何冊かあり、あれは、父が買ったのだろうか。

私が読んだのは、「朱鷺の墓」「青春の門」「白夜物語」「戒厳令の夜」「燃える秋」「水中花」「四季・奈津子」くらいか。
考えてみたら、「白夜物語」以外は、映像化されたものばかり。
たぶん、映像のあとで原作を読んだと思われる。

しかし、何となく肌に合わなかったのか、私が幼すぎて、恋愛が理解できなかったのか、それ以降長らく読むことがなかった。

たまたまNHKの番組で、この著作を語ったのを見て、読んだみたいと思ったのだ。

「孤独は悪いものではない」「なれあうのではなく、和して同ぜず」というようなことを話していて、興味を引かれた。
また、実家で一人で暮らす母に読ませたいと思い、自分が先に読んだ。
ベストセラー本を買うのも久しぶりだ。

中身は、期待していたものとはちょっと違っていた。

「はじめに」という章に書かれた内容が一番タイトルに近いものだった。
そこに感動したから、まあ、買った価値はあるかな。

昔はよかったと過去を振り返ることも否定してないのがよい。

読書も推奨している。
外出できなくなっても、誰にも邪魔されない。読書は、一対一の対話であると。
たとえ、活字が読めなくなっても、回想すればいいとある。そこから世界が広がっていくと。

深くうなずいてしまった。
さすがだなと素直に思った。

そうなのだ、そうなのだ。
ようやく、こういう老後を肯定してくれる人が出てきたのだな。

メディアでは、ボランティアなどに参加して他人とコミュニケーションをとることやカラオケなどのレクリエーション、体を動かすこと、好奇心をもつことなどを推奨しているが、著者は、それらに懐疑心をもっている。

高齢で元気な人は、ごく一部だ。だからメディアで取り上げられるが、誰もがそうなれるわけではないと。

人と比べる必要はない。

減速して生きる、下山、諦めも推奨している。

既刊の「嫌老社会を超えて」を再構成して加筆し書下ろしを加えたようなので、タイトルと中身が違うのだろう。
できれば、「孤独のすすめ」にふさわしい内容を新たに書いてほしかったし、著者なら書けると思うのだが・・・そこだけが残念だ。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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