切羽へ
2008 / 09 / 07 ( Sun )
第139回直木賞受賞作。 候補作になる前に、新聞の書評で読んでいたので、気になっていた。 以前、候補作になった『ベーコン』が気に入ったから。 長崎県の炭鉱の島・崎戸を舞台にした恋愛小説。 小さな島で、画家の夫と暮らす小学校養護教諭のセイ。夫婦仲はよいが、東京からやってきた若い男性教師・石和に、セイはひかれていく。 恋愛小説といっても、セイ自身に劇的なことは起きない。 セイの周りで小さな事件はあっても。 だからこそ、リアルさを感じる。 セイの心の動きは、身近な人にわかってしまうが、それでも、何事もなかったように、暮らしていく。 これが、夫婦というものなのだろうか。 セイが石和を好きになる気持ちがわかるようなわからないような。 小さな島で暮らす閉塞感は、耐え難いものだと想像するが、淡々と描かれているので、思いのほか明るく感じる。 タイトルの「切羽」はトンネルの一番先の意味。トンネルがつながるとなくなってしまう。 余談だが、「高円寺の古本屋と居酒屋をあわせたような店」という記述があって、コクテイルを思い出した。 |
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