琥珀の望遠鏡
2002 / 12 / 22 ( Sun )
ライラの冒険シリーズ第三巻。 本にも旬があるのだろう。予約してから3ヵ月も待たされると、盛り上がっていた気持ちも少しずつ冷めてくる。 ストーリー自体は、相変わらず壮大で複雑で凝っていて面白いのだけど、一巻、二巻ほどのときめきは、感じなかった。なぜだろう?宗教的な問題なのか?ラストが気に入らないのか?余りに哲学的で、私の理解を超えてしまったのか? いや…たぶん、私は、あの展開が嫌だったのだ。(あの展開というのは、ネタバレになりそうなので、書かないでおく。) ヒロインのライラは、最後まで余り好きになれなかった。どちらかといえば、この作品は、脇役のほうが魅力的だと思う。クマの王や気球乗り、魔女、天使、トンボに乗った小さな戦士など。 そして、よくも悪くも、一番強烈なのは、やはり、コールター夫人だろう。 |
ショコラ
2002 / 12 / 22 ( Sun )
フランスのある村に6歳の娘を連れてやってきたヴィアンヌ。彼女がそこで開いたチョコレート店は、静かで禁欲的な村の住民たちの間に波紋を起こす。 次第にヴィアンヌとチョコレートに魅せられていく村人たちに反して、それを苦々しく思うルノー司祭と一部の村人たち。 甘くおいしそうなチョコレートとは対照的に、ドキドキする展開が繰り広げられる。 そして、ラストのあのシーンは、笑いたいような泣きたいような何とも言えぬ気持ちになる。不思議な読後感を残すファンタジーだが、ほのぼの甘いだけの話ではないところが、いいのかも。 |
ここがホームシック・レストラン
2002 / 12 / 22 ( Sun )
まずは、タイトルが魅力的。家族が恋しくなった人々が集まるレストランなのだろうと思って読み始めるが、とんでもない。 いきなり、死に際の老女の回想から始まる。少々退屈。夫に出ていかれ、女手一つで家族を育てた母親と三人の子供たち。誰もがクセがあり、手放しに好きにはなれない。強いて言えば、次男が、かわいげがあるのだが、 時々、その鈍感さにうんざりするし、頭のいい長女の男運のなさにあきれる。弟に嫉妬する長男も、気持ちがわからないでもないが、大人げなさ過ぎる。家族って、もしかしたら、こんなものなのかもしれない。滑稽で、はちゃめちゃで、自分勝手で…。 家族みんなで食事することは、大事。だけど、一緒に何かをすることだけが家族の証というわけではないことを私は知っている。 |
神秘の短剣
2002 / 12 / 21 ( Sat )
ライラの冒険シリーズ第二巻。『黄金の羅針盤』の続きである。 今度は、我々の世界から始まる物語なので、非常に読みやすかった。ここでは、少年ウィルが登場する。母親を守りながらひっそりと暮らす彼は、謎の男たちに追いかけられ、父親探しの旅に出る。別世界への入り口を見つけた彼は、もう一つの別世界からやってきたライラと出会う。そこは、化け物に大人だけが襲われ、子供しかいない街だった。 前作以上に複雑な展開なのだが、「神秘の短剣」の設定が、非常に面白くうまくできていて、興味が尽きない。また、母親を必死で守ろうとするウィルとその父親探しを手伝おうと一生懸命なライラが、健気で、いとおしくて、守ってあげたくなるのだ。 二人を助けてくれる人たち、攻撃するものたち、さまざまな登場人物が入り乱れて、世界は、さらに広がりを見せる。一体、ライラの両親って、どうなっているの?ウィルの父親って?混沌とした思いがこみ上げる中、物語は、「え?! どうして、こんなことが…」「ここで終わるなよ〜」というところで、終わっている。すぐに第三巻を読まないと、この胸のつかえは、おさまりそうにない。 |
黄金の羅針盤
2002 / 12 / 20 ( Fri )
ファンタジーが苦手だという私に、面白いからと薦めてくれた人がいた。余り期待せずに手にとるが、思いのほか、 世界にのめりこむことができた。 両親を事故で亡くし、オックスフォード大学寮に暮らすライラは、おてんばな少女。連れ去られた友達と、監禁されてしまった北極探検家のおじを救うべく、ジプシャンたちの助けを借り、黄金の羅針盤をもって北極に旅立つ。 いきなり、守護精霊ダイモンが出てきたり、毒殺未遂、謎の貴婦人、シロクマ、気球乗り、魔女など、ありとあらゆる大道具、小道具が、てんこもり状態で、理解するのに時間がかかる。 世界も、独特で果てしなく、この広げた大風呂敷を一体どう片付けるのか、頭がクルクルしてくる。一字一句たどるように読まないと、ついていけない。冒険のさなか、一体誰を信じていいのかわからなくなるが、ライラの明るさと強さが、希望を与え続けてくれる。 全三巻のうちの第一巻なので、とにかく、二巻目も読まねば…。 それにしても、スケールでかすぎ!これを読んだら、ほかのファンタジーがますます読めなくなるんじゃないかと、ちょっと不安もあり。 |
レクイエム
2002 / 12 / 20 ( Fri )
初めてのタブッキである。主人公が半日リスボンをぶらついて、生者と死者に出会う物語。わけがわからないが、 読後は、幻覚か夢を見たようなふわふわした気分になった。自分が主人公になって、旅したような感覚。 そういえば、夢の中ならば、死者も生者も同じように、対話できるなあなんて思う。読んでいる最中よりも、読後の余韻が心地よい本である。おいしいそうな料理もたくさん登場し、巻末に注釈もついている。映像化に向いている作品だと思う。 |
さくらんぼの性は
2002 / 12 / 19 ( Thu )
時は17世紀、舞台は疫病とピューリタン革命うず巻くロンドン。象をも空にふっ飛ばす未曽有の大女(ドッグ・ウーマン)と彼女の拾い子ジョーダンは、自由の天地を目ざし、幻の女フォーチュナータを捜して時空を超えた冒険の旅に出る。 というあらすじなのだが、あらすじはあるようなないような、奇想天外なおとぎ話である。エロチックでユーモアにあふれていて、幻想的で、面白い。 特にお気に入りは、「12人の踊る王女たちの物語」とドッグウーマンの純粋で一途なところである。 |
まっぷたつの子爵
2002 / 12 / 19 ( Thu )
サッカー雑誌にイタリア現代文学として紹介されていたので、気軽に手にとってみたのだが、これが、期待以上の面白さだった。戦争で善の半分と悪の半分のまっぷたつになってしまった子爵の話を描いたブラックユーモア小説。おかしいような笑えないような何とも言えない魅力がある。 善とは?悪とは?と考えさせられた。 |
不在の騎士
2002 / 12 / 19 ( Thu )
勇敢で品行方正な騎士の鑑、アジルルフォ。しかし、彼の鎧の中身は、からっぽであった・・・という何とも奇想天外なお話。 導入部分は少々退屈だが、出てくる人物が、誰も彼も、滑稽で変な人たちで、先の展開が見えない。妙な味わいのある一作であるが、好き嫌いは分かれるだろう。 |
第四の手
2002 / 12 / 19 ( Thu )
取材中にライオンに手を喰われたTVマンのパトリックは、事故死した男の手を移植されることになるが、手術を目前に「手」の未亡人に子作りを迫られ、やがて男の子が誕生する。やがて、真実の愛に目覚めていくパトリック…。 相変わらずのアーヴィング節である。はちゃめちゃで、エッチで、面白い。そして、最後には愛なのである。パトリックは、憎めないやつだけど、魅力は余り感じない。むしろ、パトリックの周りの女性たちが、個性的で、面白い。 「第四の手」って、うまくできたタイトルだと思う。意味を知りたい方は、ぜひ読んでみて下さい。ちなみに、この作品は、映画化も決まっているらしい。映画で見たほうが、感動するかもしれないと思った。 |











